八百万のかみのやしろ巡り

野間神社

のまじんじゃ

参拝日:2016年10月24日

野間神社
所在地:

愛媛県今治市神宮699 [地図]

御祭神:

飽速玉命・若弥尾命・須佐之男命・野間姫命

公式頁:

社格等:

天平神護2年(766)4月20日 野間神 従五位下 神戸二烟。野間郡 続日本紀

貞観3年(861)5月21日 野間神 正四位下 三代実録

貞観8年(866)3月7日 野間天皇神 正四位下 三代実録

貞観12年(870)8月28日 野間神 正四位上 三代実録

元慶5年(881)12月28日 野間天皇神 従三位 三代実録

天慶3年(940)2月1日 野間神 正二位 長寛勘文

延喜式内社 伊豫國野間郡 野間神社 名神大

明治4年郷社

明治28年県社

 
 2016年9月下旬から松山出張中で、休日がとれた2016年10月24日の参拝。
 この日は今治市内を四国霊場札所を交えながら巡拝した。宿のある松山市街地から向かっているので、当社の前に、天一神社大野神社大須伎神社伊加奈志神社樟本神社に参拝、その後は四国霊場の栄福寺、仙遊寺、泰山寺に立ち寄ってから、当社参道入口前に14:40頃に到着。

 今治市街地の西を流れる品部川流域の谷筋、愛媛県今治市神宮に鎮座。鎮座地名の神宮(かんのみや)や旧別当寺の乗禅寺がある地が延喜とあるのは式内社を巡っているものにとって心躍るもの。

 創建年代は不詳。一説に神功皇后の時代に怒麻國造の若弥尾命が祖神の飽速玉命を祀ったことに始まるとされ、また社伝には大宝元年(701)に社殿造立という。社殿の背後500mの山中に石神様と呼ばれる巨石があり、創祀に関わるものという説がある。

 国史に早くから現れ、『続日本紀』の天平神護2年(766)、伊曾乃神、大山祇神、伊豫神と共に神階の奉授と神戸が充てられている。野間神には従五位下の神階奉授と神戸二烟が充てられており、すでに伊豫國内の有力な神社であった。
 その後も神階は累進し、天慶3年(940)には海賊平定祈願のため正二位の神階が授けられた。延喜式では伊豫國野間郡一座の名神大社に列格した。

 古来社名は大筋で「のま」だが、音の通じる一定の字を組み替えた社名がいろいろある。
 野間神 『続日本紀』
 野間天皇神 『三代実録』
 濃滿天皇神 『伊豫國神名帳』
 乃萬宮 『伊豫国神社佛閣等免田注進記』
 乃萬神社、野間神社 江戸期の社家文書、棟札
 濃萬神社 『豫陽郡郷俚諺集』
 牛頭天王宮 『松山領神社帳』
 乃萬社大梵天王宮 『野間郡寺社堂庵帳』

 祭神は怒麻國造に関わる飽速玉命・若弥尾命・野間姫命と、近世、牛頭天王宮と称していたように、須佐之男命を含めて四座とされている。創祀の祭神は若弥尾命か飽速玉命のいずれかと思われる。
 須佐之男命はいつ頃祭神に加わったのかは不詳。宝暦10年(1760)の松山領神社帳には牛頭天王宮とあり、近世前半期と思われる。また天明8年(1788)の野間郡寺社堂庵帳には乃萬社大梵天王宮とあり、別当の乘禅寺の影響下で祭神を梵天の習合と考えた時期もあったようだ。
 また一説に天照皇大神和魂がある『伊豫二十四社考』。
 牛頭天王宮、大梵天王宮、天照皇大神はいずれも三代実録の野間天皇神からひかれているような気もする。

 ところで、社殿の背後の山中にあるという石神様は当社の奥の院とされる。境内からの道はなかった(と思う)ので行かなかった。いま地図を見てみると、参道より西にある道から登っていけそうだが、確かめていない。機会を作って、石神様を参拝したいと思う。
境内入口の鳥居
社前を流れる品部川を渡って境内へ。
 
参道
隋神門
門神の櫛磐間戸神、豊磐間戸神と穢れを払う大直日神、神直日神の神像がある。しっかり撮影しておけばよかった・・。
 
社殿への階段参道
拝殿
 
拝殿と本殿
拝殿内陣
本殿
境内社
隋神門の左側にある。表札なく社名は不詳だが、愛媛県神社庁HPに厳島神社とあり、おそらくそれに該当すると思う。
境内社
九社権現と十二社権現。近隣の旧社の合祀と思われる。本殿後方にある。
宝筐印塔
元は下方の谷間にあったという。鎌倉期のもので国指定重要文化財。本殿後方にある。
交通機関・駐車・駐輪情報・到着難易度・参拝時間・御朱印
JR予讃線今治駅から約5.6km。路線バスがあり、近くまで行ける。
駐車場=あり。
駐車=バイク〇、自動車〇。
徒歩、バイク、自動車で容易に到着できる。
参拝は約10分程度の見込み。
御朱印=社務所は非常駐、要確認。
[作成日]2025年04月16日
[更新日]2025年04月16日
[参考] ・式内社調査報告 ・愛媛県神社庁HP ・諸国神社神階制の研究
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