2016年7月中旬から新潟市内に宿をかまえて1ヶ月ほど出張することになり、時間の許す限り新潟県北部域の式内社を中心に巡拝しようと計画。ということで半日休みがとれた2016年7月25日が新潟県で最初の参拝日。
朝、仕事場に行って準備を済ませてから出かけることにし、まず阿賀野川河口近くの当社に向かうことにした。
国道113号線で西へ向かい、新潟空港入口を過ぎると国道は南へ向かうので、そちらへは行かずにまっすぐ進み、阿賀野川河口の松浜橋を渡る。河口の大きな橋を渡るのは好きなのである。橋の東詰に行くと南側が小高くなっており砂丘のようである。坂道を登っていくと神社は丘の一番高い場所にあり、周囲は新興の住宅地のようだ。11:10頃到着。
新潟県新潟市北区松浜本町に鎮座。日本海の海岸線は北約1.5km。阿賀野川の河口付近の右岸の砂丘とおぼしき高台に境内。境内入口の白い石の鳥居と木製の赤い鳥居が連なり印象的。境内域からの眺めはよく、東西南北見渡せる。
通称松浜稲荷神社、もと松ヶ崎村の産土神という。延喜式神名帳の越後國沼垂郡市川神社の論社とされる。
式内市川神社であるとされる理由としては、『越後國式内神社考證』に、稲荷神社は元は加治川(聖篭町が河口)の傍に鎮座していたのを、天保年間(1830-44)に現在地に遷座したものという。その加治川は古くから暴れ川として水害の絶えない川であった。その流れを「稜威(いち)速き」と表し、上古は市川と称されていたとし、川の流れを鎮めるために市川神社がおかれたと説いている。
また米沢松ヶ崎の稲荷神社の神職が越後を訪れた際に、越後から米沢へ移った上杉家中に市川氏があって、当稲荷神社も共に遷ったものであると語ったことがあげられている。
他に当社を市川神社に比定している文献に『大日本地名辞書』や『特選神名牒』があり、特選神名牒は元は水波能売神を祀っていたとしている。
阿賀野川右岸の河口附近、対岸には新潟空港がある。県道17号線の南側の丘の上の神社。東方向3.6kmに新潟競馬場がある。
境内入口の鳥居と参道にも鳥居、拝殿前は狛狐と階段と更に鳥居。拝殿本殿とすべて南面している。
境内東側に古峯神社と祭神不明の境内社がある。
交通機関・駐車・駐輪情報・到着難易度・参拝時間
最寄り駅はJR白新線新崎駅から北へ直線で2km。
参拝者駐車場=なし 駐車=バイク×自動車×。
最寄り駅から少し遠く、新潟駅から空港松浜方面行きのバスが便利。
参拝時間は約10分ほど。
境内に社務所はなかった(と思う)。新潟市沼垂東の
乙子神社の兼務、事前に問合せが必要。