八百万のかみのやしろ巡り(仮)
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神谷神社

かんだにじんじゃ

参拝日:2014年11月4日

神谷神社    
所在地: 香川県坂出市神谷町621 [地図]
御祭神: 火結命、奥津彦命、奥津姫命、春日四柱神
公式頁:
社格等: 貞観7年(865)10月9日
貞観17年(875)5月27日
神谷神 従五位上 三代実録
神谷天神 正五位下 三代実録
延喜式内社 讃岐國阿野郡 神谷神社
明治5年郷社

 
 2014年11月4日午前の参拝。総社神社から約25分、少し迷ってしまったが、なんとなく行けば着くだろうと思っていたためで、地図を見ていれば迷うことはない。
 白峯中学校北交差点まで戻り、そこから東へ、白峯山ふもとの県道180号線神谷町交差点の北160mに川が流れており、その川に沿って進むとわかりやすい。当社には10:00少し前に到着。参拝の足は電動アシスト付きの自転車なのだが、城山に登っている最中のバッテリー切れは避けたいので、ここまでアシスト機能をあまり使っていない。この日はここまで宇夫階神社総社神社と巡拝している。

 香川県坂出市神谷町に鎮座。最寄り駅はJR鴨川駅で北東へ直線約2.3km。白峯山西麓、五夜嶽と白峰山の谷筋から流れ出る清流沿いが参道、境内で、社名の通り神谷である。讃岐国府に近く、付近には古代条里遺構がよく残り、古くから開けた地域である。

 三代実録に神階授与の記事がある「神谷神」「神谷天神」に比定され、延喜式神名帳にも記載のある古社。
 創建年は不詳、社伝には谷の淵から僧侶が湧き出でて、淵のそばにあった巨石に祭壇を設け、天津神を祀ったことが創祀であると伝わる。後、弘仁3年(812)、弘法大師空海の叔父、阿刀大足が社殿を造営し、この時に春日四神を勧請したという。

 祭神は境内由緒書によれば、火結命、奥津彦命、奥津姫命、春日四柱神となっている。火結命は記紀における軻遇突智(カグツチ)と同神、火の神。奥津彦命、奥津姫命と火の神とを併せて祀り、三神で竈の神としたもの。
 『讃岐国官社考証』(1877)では天神立命一座とし、或いはとして、金山彦命又は奥津姫命、相殿春日大神四座とし、春日四神を固定した上で、三神のうちどれかは決めがたいが、三代実録に「神谷天神」とあるので天神立命に若干の優位をつけている。

 干天の際に行われているという特殊神事「北條念仏踊」があり、当社で念仏踊を行った後、村内各社を廻り瀧宮八幡宮に至るもので、菅原道真の祈雨の故事にちなんだものとも言われている。
 この神事と三代実録「神谷天神」、現在の祭神名から、元の一座は火雷神ではないだろうかとも連想する。

 本殿は三間社流造で造営年が明確なものとしては最古級。その根拠となったのは本殿の棟木に「正一位神谷大明神御宝殿、建保七年歳次巳卯二月十日丁未日始之、惣官散位形部宿弥正長」とあって、鎌倉時代初期の建保7年(1219)造営が明確である。昭和30年に国宝指定されている。

 県道180号線から川に沿って進むと参道の鳥居、脇に國寳と刻まれた石碑。橋を渡って川が左側に変わりさらに進むと境内入口の鳥居、その向こうに神門が見える。その先に拝殿と本殿。参道は県道180号線から鳥居、神門、拝殿、本殿まで若干の蛇行はあるがほぼ直線、全て西面する。

 境内社はそれぞれに神名の記載がないため一部を除き詳細不明。神門前の北側に五宇九社の他、いくつか点在している。
参道の鳥居
県道180号線から東へ約200m。トップ画像にあるように、脇に國寳と刻まれた石碑。
 
参道の石碑
途中で橋を渡り、川が左側になった辺りの石碑。延喜式内正一位神谷神社とある。
境内入口の鳥居
鳥居の扁額には神谷神社。 神門へは少しの階段。
 
神門正面
参拝はここで行う。
神門

境内図には、画像手前の破風部分は「祢宜溜」、画像奥の破風部分は「神饌殿」とある。
神門拝所

 
神門から拝殿、奉弊殿内部

本殿

国宝本殿。檜皮葺が美しい。
本殿、後方から

派手さはないが泰然たるたたずまい。800年この地に有り続けていると思うと、この社を守り続けてきた先人に感謝。
 境内の案内図に社名の記載がある境内社は2社、神谷荒神社は参道、神谷地神社は本殿南側瑞垣付近に鎮座。それ以外は詳細不明で境内図には末社としてひとまとめに記載、神門前の北側に五宇九社鎮座する。
 『式内社調査報告』には境内末社として天照大神宮、出雲大明神、山王、五穀宮、福賀津井大明神、荒神、若宮の七社があげられる。
神谷荒神社
祭神は素盞鳴尊。
 
神谷地神社
讃岐、阿波によく見られる地神社、近くで撮影するの忘れてしまっている。見にくいが笠?が乗っているのは初めて見る。
※2016年5月30日の再訪で近くで撮ってみた。
神門前の北側の末社群

式内社調査報告に記載のある末社の内、荒神を除く六社がどれかの社殿に該当すると思われる。
 
 
境内社
 
境内社
 
境内社
 
境内社

 その他の遺物、遺構、石造物など。
影向石(磐境)

ようごうせきと読む。伝創祀にまつわる巨石。
 
よめが渕

七重石塔

 
残念切りの石

 
残念切りの石のそばの少祠

交通機関・駐車・駐輪情報・到着難易度・参拝時間・御朱印
JR予讃線鴨川駅から境内入口まで約3km、徒歩約40分程度。
駐車場=あり。
駐車=バイク〇、自動車〇。
徒歩だと駅から少し遠い。坂出駅にレンタサイクルあり。坂出駅から路線バスがある。時間が合えば便利。バイク、自動車は容易に到着できる。
境内社を含めて参拝は約20分程度(自転車利用)。
神職宅と思われた建物があったが、僕が御朱印を頂戴していないので不明、御朱印希望は要確認。
[作成日]2016年05月11日
[更新日]2018年08月17日
[参考]  ・式内社調査報告 ・古代諸国神社神階制の研究 ・境内由緒書
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